はじめに | 読むこと | 考えること | 書くこと | 財務 |

  1. はじめに 

      私の場合、少々特殊である。旧制度の1次試験合格で、新制度の2次試験合格という形で合格したからである。平成7年に、旧制度の1次試験に合格した。当時の制度では、何度でも2次試験を受けることができるので、忙しさにかまけて、2次試験を受けないまま過ごしていたら、制度が変わり、旧制度の1次試験合格者には1度だけ、新制度の1次試験合格者も2度まで、と2次試験の受験機会が減ってしまった。2次試験に、一発合格しなくてはならない状況に追い込まれた。その意味で、この合格体験記は、2次試験に特化したものである。1次試験は、範囲も広く、教科も多いので、かなりの勉強量が必要である。2次試験は、知識はさほど、問われない一方、記述式で長文を書くことが求められる。過去問を何度も解いて、分析した結果、以下のような対策が有効である、と考えた。なお、教材は今はなき「企業経営通信学院」の2次対策問題を入手し、独力で、解答と照合しながら対策を進めた。

      (1)読むこと   本文と問題文をしっかり、読むこと。(1問目~3問目共通) 
      (2)考えること  客観的かつ論理的に考えること。(1問目~3問目共通)
      (3)書くこと    簡潔に、歯切れよくかくこと。(1問目~3問目共通)
      (4)財務      4問目は財務に関するものであり、これは特別な対策を要する。

      以下、上記4点に関して、私のとった対策を述べる。

  2. 読むこと
     
      時間が制限されているので、効率的な読み方が必要である。まず、問題文にさっと目を通してから、例文を読むと、例文を読みながら解答のポイント部分がわかる。例文は、あわてず、じっくりと読む。どこに大事な表現が隠されているかわからないので、飛ばし読みは禁物。読みながら、例文に載っている企業のSWOTを意識しながら、アンダーラインとS,W,O,Tと印を欄外に書いていく。対象企業の強み、弱み、機会、脅威は何か、いずれ考える必要があるので、印をつけておくと、後でまとめる時間を節約できる。例文を読む際は、あくまで第三者の客観的な目でみること。感情は不要である。
      問題文を読む際は、細心の注意が必要である。題意を確実に捉えること。一字もおろそかにせず、「解答に何を求めているのか」をしっかりと把握すること。特に、視点を間違えると致命的である。全社的な経営戦略を問うているのに、生産方法の改善など機能戦略を答えてしまうと全く得点にならない。また、ほぼ必ず、経営戦略の解答にはSWOT分析が必要になるので、これは、問題文を読むときに印をつけた部分を参照する。


  3. 考えること

      考える際も、客観性が重要である。自分が生半可に知っている知識は不要であるし、あくまで、与件、問題文に書かれている内容の範囲で考える。経営戦略を考える際は、SWOT分析を行うことになる。問題文を読む際に印をつけておいたSWOTの部分を簡単な表にして、強みと機会を結びつける。その上で、ターゲットは誰か、扱うべき商品は何か、それをどのように提供するか、を明確にする。これで、経営基本戦略はできあがりである。
      また、改善を問う問題も良く出る。これに対しては、P(計画)D(実行)C(チェック)A(アクション)のサイクルを回すことで、改善につなげていくよう記述する。
      「~の原因は何か?」という問いもあるが、これは「なぜそうなるのか」を繰り返し、一段深く掘り下げたところが、解答となることが多い。表面的な答えでは、得点できない。

  4. 書くこと

      解答は、30字程度のものから、150字程度の長文にいたるまで、書く分量が多い。字数をみただけで、書くのが億劫になる場合もある。これに対しては、一文を25字程度と考える。だらだらと、長い文章は書かないで、25字程度で一文章とする。これを、4つ集めれば100字になるし、6つ集めれば150字になる。
      解答は「結論+理由いくつか」「結論+具体例いくつか」という形にして、最初の一文で、結論を明示する。残りはその理由や具体例をいくつかつけてやれば、文章は完成する。余分な表現、凝った表現は不要である。わかりやすく、簡潔にすることが肝要である。用語や表現も、与件、問題文中で使われているものを用いるようにすると良い。自分の知識としてもっている用語を使いたくなる時もあるが、2次試験は、知識ではなく、与件中にある情報を使って、客観的に解答を導き出せる力を求めている。

  5. 財務

      財務に関しては、過去問等で充分に計算問題をやって、確実性を増しておく必要がある。計算間違いは、致命傷になる。

      (1)1問目は経営指標を算出して、解答する問題が多い。収益性、安全性、回転率などの各指標を、貸借対照表と損益計算書から、ほぼ100%の確率で、正確に算出できるようにしておく。
      算出した経営指標は、通常2期分、あるいは競合他社との比較ができるようになっている。前期と比べて、悪化した経営指標に着目して、それを財務上の問題点として指摘する。これらの作業は、なかば機械的にできるので、きちんと準備していれば、得点源になる。逆にここで点が取れないと、財務の合格点は取れない、と思った方が良い。
      (2)キャッシュフローを問う問題が多い。求め方として、直接法と間接法があるが、これはどちらでも、解答を算出できるように何度も練習しておくことが大切である。
      (3)商品ごとの損益分岐点を問う問題も良く出る。損益分岐点の算出法も熟練しておくことが重要である。
      (4)DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法による、事業価値の算出と、理論株価・投資判断を絡めた出題も見受けられる。一見とっつきにくいが、これは他の受験生も同じ事。解ければもうけもの、くらいの気持ちで良い。これにはまって、時間を費やし、肝心の(1)がおろそかになってはいけない。あくまで(1)を確実に問いてから、着手すること。

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